ライフスタイルに合わせて、和室を洋室へリノベーションした施工事例-4選

リビング横に和室が隣接している物件が多いためか、リノベーションするご要望を多々承ります。今回は、リノベーションした際に和室を洋室化した事例を紹介いたします。

そもそもリビングの横にはなぜ和室があるのでしょうか?

今から20年~40年前の暮らしの中では、和室は客間として来客時に宿泊可能な部屋として、ご家族の寝室の他にもう1部屋設けるというのがスタンダードでした。お布団を収納するための押入を設置するケースが多いです。

近頃のライフスタイルは?

仮に年に1~2度の来客があったとしても、その他の使途としては、お子様が大きくなるまでのキッズルーム・襖を開放してリビングやダイニングを広々として暮らす、洗濯物を干すスペースや収納部屋に利用している方が多いと思います。近頃は来客があってもホテルや宿泊施設に滞在されるほうが、お互いに気兼ねなく便利であるという理由から、ますます客間としての和室は自分たちの暮らしに合わせたスペースにリノベーションする方が増えているのだと思われます。

自分たちの暮らしに合ったスタイルとは?

例えば…以下のようなスペースがあったら良いと思いませんか?

  1. 書斎スペース・在宅ワークスペース・家事スペースを設けたい
  2. 子供の成長に合わせて個室が必要になるまでは、目の届く場所にキッズスペースが欲しい
  3. 押入ではなくクローゼット・収納庫などライフスタイルに合わせた収納が欲しい
  4. ご家族が長い時間を過ごすLDKをオープンで広々な空間にしたい

お客様からのお問い合わせが多い【和室を洋室としてリノベーションした事例】をご紹介いたします。

CASE1…札幌市白石区T様/築21年/102.56㎡

長年住み慣れたお宅をお子様も独立され家族構成の変化に伴い思い切ってリノベーションした事例です。和室に大きなデスクを置いてパソコンを数台置いて使用しておりました。リビングに隣接する空間として、ご主人様の書斎スペースとして刷新されたケースです。

Before

リビングと和室の天井際の出っ張りとなる梁型は間接照明を施すことで空間を緩やかつなげる工夫をしました。床の間や押入だった場所には大きなデスクを造作。コンセントや配線孔・本棚や手元灯も併せて計画し、アクセントクロスやドアをネイビーカラーでコーディネートされました。

お引越し後訪問すると、ご主人のワークスペースは本・写真・植物など好きなもの囲まれていました。2.4m程のカウンターを造作したのでPC2台置いてもゆとりがあり配線等もスッキリしていました。

CASE2…札幌市S様/築29年/92.13㎡

まだ小さなお子様がいらっしゃるS様は、中古マンションを購入時にリノベーションされました。

Before

リビングから和室と押入が隣接している間取りでした。

工事中

和室を解体して少しリビング側にスペースをとるため、軽量鉄骨でフレームを造作しているところです。

After

キッズルームはグレーの壁紙を選定し雰囲気を変えましたが、フローリングには防音性や気兼ねなく遊べるようにラグマットを敷いていました。

二方向の開口があると、よりつながりが感じられますね。造作した柱を中心に引き分けられる引戸にすることで、丈夫でコストダウンができるのがポイントです。和室には無かったスイッチも増設することができました。

引戸を閉めると子供室として徐々に個室化することもできますし、他にも多様な使い方ができそうです。引戸がホワイト木目なので圧迫感のない視角効果となるのでおすすめです。

工事中

押入棚は設けましたが、襖ではなくクローゼットドアを設置することで洋室にもなじみます。

本・おもちゃ・室内用のトランポリン!がとても上手に収納されていました。お子様のお片付けやすさやインテリアを損なわないセンスの良さなどのお手本になりますね。LDKから子供の気配を感じられる場所にキッズルームがあるとお子様も安心ですし、家事もはかどりそうです。こちらの物件は後日、施工事例としてアップ予定です。

CASE3…札幌市東区K様/築24年/79.74㎡

K様が購入された中古マンションにもリビングに隣接して和室がありました。

Before

和室を洋室に変えられるのか!?リビングとつなげてワンルーム的な空間として広々暮らしたい。とご相談を受けておりました。

工事中

写真は床材をはがし、押入や建具も撤去したところです。床の段差などは実際にはがしてみないと平滑さや接着剤の剥がれ具合などがわかりません。このように部屋ごとに厳密には床の高さが異なり、仕上げ工事でフラットに仕上がっているものなのです。こちらはマンションなので躯体がコンクリートのために裏面に遮音マット付のフローリング材で仕上げるためにモルタルでフラットになるように下地処理を施しました。

After

畳や障子は撤去し、床のフローリングは好みのオーク材を選定。照明器具は埋め込み式のダウンライトに変えました。キッチンの壁も取り払ったことで、とても空間が広がりました。壁面に本棚を置く予定ですが【壁のない洋室】にして、リビング続きの空間にするのがK様のこだわりでした。押入は倉庫代わりに使う予定ですが、木製ルーバーの扉がインテリアとしても存在感があり、何より通気もとれるので好事例ですね。

Before

元々和室からリビング方向は、引き分けの障子戸で仕切られる間取りで、梁型や下がり壁で個室感がありました。

工事中

間仕切り壁や床をはがした状態です。仕上げ工事が始まるまでは暗い印象で不安になる方もいらっしゃいますが、内装が仕上がっていくと印象も変わっていきます。

After

旧和室からLDK方向を見たところですが、ウッドブラインドを閉めた雰囲気です。空間がつながりステンレスキッチンもインテリアの一部のように存在感があります。壁や障子戸の仕切りが無くなり、リビング・ダイニング・キッチンがつながることで広い空間が実現されました。

CASE4…札幌市手稲区公開中モデルルーム/築35年/71.75㎡

こちらは当社の公開中のモデルルームの事例です。工事前の状態は、リビングがカーペット敷き、奥に和室がありました。天井際には大きな梁型や柱型が見え、かなり老朽化している状態でした。

Before

間仕切り壁を撤去、床材をはがし、押入も壊していきます。

工事中

築35年でも爽やかなナチュラルテイストのお部屋に、和室はリビングへ生まれ変わりました。

After

窓際には、インナーバルコニーを設けているので、植物への水やりも気兼ねなくできます。

工事中

和室の畳・ラミネート天井、押入や襖など、和室の要素は撤去していきます。リビング側から見ると壊せない梁型などは残りますが、内装を明るくホワイト系に統一することで圧迫感を和らげる工夫をしています。

After

元々のリビングはダイニングになっているので、エリア分けもできてゆったり過ごせそうです。


窓際には存在を消すかのようにランドリーパイプもホワイトをセレクトしました。下地にしっかりと取り付けが必須で後付けは難しいので、リノベーションする際に一緒に施工するのが良いですね。

尚、こちらはJR駅徒歩4分の好立地で、完全予約制のモデルハウスとして公開中です。また展示している無印良品やIDEEなどの家具や照明・カーテン付きで販売もしております。

とめ

今回は、リビング横に和室が隣接している物件でもリノベーションで洋室化できるのか、施工事例を交えてご紹介させていただきました。皆さんもご自身やご家族のライフスタイルに合わせて、和室を洋室へリノベーションしませんか?今回は、4件ともマンションでしたが戸建ての事例もございますので、お気軽にご相談してください。

リノベーション事業部部長

中澤 広美HIROMI NAKAZAWA

二級建築士 / インテリアコーディネーター / 増改築相談員 / マンションリフォームマネージャー / 整理収納アドバイザー1級 / キッチンスペシャリスト / BIS(断熱施工技術者)

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