一昔前に流行った「出窓」。今では植物や雑貨を置くだけになり、正直あまり活用できていない…という方も多いのではないでしょうか?実はこの“デッドスペース”になりがちな出窓、リノベーションの工夫次第で、贅沢な「居場所」に生まれ変わる可能性を秘めています。今回は、出窓を壊すのではなく、**“活かして使う”**という視点から、実例を交えてその魅力と活用術をご紹介します。
出窓が抱える“あるある”問題とは?
出窓と聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか?
昭和〜平成初期にかけて多くの住宅に採用され、光がたっぷり入る明るさや、外観のデザイン性が評価されてきました。
けれども、実際の暮らしの中では…
- 観葉植物やぬいぐるみを置いているだけ
- 奥行きが中途半端で、掃除がしづらい
- 結露や寒さが気になる
- なんとなく「もったいない空間」になっている
といった悩みを抱えるケースが少なくありません。
しかも、出窓を撤去しようとすると、窓枠の変更や外壁の補修などコストが大きく膨らむという現実もあります。
あえて壊さない、出窓リノベという選択肢
出窓をどうにかしたい。でも、壊すには費用がかかる…。
そんなときにおすすめなのが、「出窓を活かすリノベ」という発想です。
たとえば、以下のような工夫ができます:
- 造作ベンチと組み合わせて、腰かけスペースに
- カウンターを取り付けてワークスペースや読書コーナーに
- 断熱性能を高めて“快適な窓辺”に改善
- 視線対策+採光確保で、プライバシーと明るさの両立
活かし方によっては、出窓が「ただの飾り」から「暮らしの中心」に変わるのです。

ポイント①:ヌックスペースとして再構築

マンションの角部屋にあった奥行きのある出窓。以前は植物を置くだけの空間でしたが、道産タモ材を使用した造作カウンターを設置することで、**腰かけて眺望を楽しめる“ヌックスペース”**に変身しました。
収納棚も組み込まれており、機能性とデザイン性を兼ね備えた空間です。
ポイント②:自然を借景に取り込む設計

郊外の戸建て住宅では、出窓の壁面を大胆にくり抜き、大開口の窓を設置。
まるで**額縁のように自然を切り取る「ピクチャーウィンドウ」**が完成しました。
外の木々が四季折々に表情を変え、窓辺が“景色を楽しむ席”としての居場所に。
カフェのようなひとときが、家の中で過ごせるようになります。
ポイント③:外からの視線を遮って居心地よく


道路に面した出窓の場合、採光は得られるけれど視線が気になる…という悩みも。
こちらの事例では、ブラインドとカウンターを組み合わせることで「視線を遮りつつ、使えるスペース」に仕上げました。
出窓の奥行きを利用して、夫婦の語らいやお茶の時間など、リビングの延長として機能する場所に。

出窓リノベのメリットまとめ
- 壊さず活かすことで、コスト削減+空間の有効活用が可能
- 腰かけスペースや収納をプラスし、“居場所”として活きる空間に
- インテリアのアクセントになり、家全体の印象をアップ
- 快適性を高めれば、家族が集まるお気に入りの場所にも
まとめ:出窓が「暮らしの主役」になる日
昔ながらの出窓も、リノベーションを通じて現代の暮らしにフィットする空間へと生まれ変わります。
壊してしまうのではなく、活かすリノベを考えることで、コストを抑えつつ“理想の居場所”を手に入れることができます。
今ある出窓に悩んでいる方、ぜひ一度ご相談ください。
私たちと一緒に、あなただけの窓辺空間をつくりましょう!

リノベーションプランナー 主任リーダー
おのONO
二級建築士