過去に発生したの主要な地震災害
札幌圏は、過去にも幾度かの大規模な地震に見舞われてきました。
- 1993年 北海道南西沖地震(M7.8)
- 発生日時:1993年7月12日
- 影響範囲:北海道南西部を中心に広範囲に影響
- 被害:津波による甚大な被害、火災、建物の倒壊
- 小樽で震度5を観測
- 2003年 十勝沖地震(M8.0)
- 発生日時:2003年9月26日
- 影響範囲:北海道全域に強い揺れを感じた
- 被害:死者・負傷者の発生、建物やインフラの損傷
- 2018年 北海道胆振東部地震(M6.7)
- 発生日時:2018年9月6日
- 影響範囲:胆振地方を中心に、札幌市内でも大きな揺れを観測
- 被害:大規模な土砂崩れ、停電、建物の損壊、死者41名
- 札幌市東区で震度6弱を観測、その他軟弱地盤地域で震度5強・弱を多数観測
今後の巨大地震のリスク
特に北海道東部地方は、プレート境界に位置し、地震活動が活発な地域です。以下に今後予想されている巨大地震のリスクについて記載します。
- 千島海溝沿いの地震
- 予測されるマグニチュード:M8.0〜9.0
- 発生確率:今後30年以内に約7〜40%
- 影響範囲:北海道全域、特に沿岸部に津波のリスク
- 北海道東部沖の地震
- 予測されるマグニチュード:M7.5〜8.0
- 発生確率:今後30年以内に約10〜30%
- 影響範囲:主に東部地域だが、札幌市内にも強い揺れの影響が予想
- 札幌市における被害想定→ https://www.city.sapporo.jp/kikikanri/torikumi/higaisoutei/higaisoutei.html
耐震強化リノベーションの重要性と実現可能な対策
耐震強化の重要性
地震による被害を最小限に抑えるためには、建物の耐震性能を高めることが不可欠です。特に札幌市のような都市部では、隣接建物との距離も近く敷地も狭小であるため、倒壊した建物が生活道路をふさぐことにより救急・消防車両が到着できなくなることも実際に起きうる事象です。そのため既存建物の耐震リノベーションが急務となっています。具体的には最低でも耐震等級1、可能であれば等級3を目指すことが必要です。
耐震強化リノベーションの方法
耐震強化リノベーションには以下のような方法があります。
- 耐震診断
- 既存建物の耐震性能を評価し、強化が必要な箇所を特定※評価可能な諸条件がございます。
- 弊社の木造住宅耐震診断員よる調査と診断
- 耐震補強工事
- 耐震壁による補強:壁に耐震パネルや構造用合板をバランスよく設置します。
- 筋交いによる補強:筋交いという斜めの部材をバランス良く配置します。
- 柱・梁の補強:柱や梁の強度の不足を、入れ替えや抱き合わせて補強する。
- 柱の上下の補強:柱が抜けることにより踏ん張りがきかなくなることを金物の設置により防ぐ。
- 構造のバランスの調整:片側だけ強い建物はねじれにより倒壊の危険性が高まります。場合によっては構造材を外しバランスの調整をします。
日々の生活での備えも大切です
停電に備えた夜間の照明や、携帯やラジオなどへの充電が可能なポータブル電源、また最低でもご家族が3日分飲食に困らない量の備蓄。特に保存可能な飲料水は多めに確保しましょう。冬期間に被災した場合に備えての電源が不要なポータブルストーブと燃料などもお忘れなく。
まとめ
札幌圏における過去の地震災害の記録から、今後も大規模地震のリスクが決して低くはないことがわかります。耐震強化リノベーションは、地震被害を最小限に抑えるための重要な対策であり、構造の補強に加え、日々の備えなど多岐にわたる方法が存在します。今後も地域住民や行政が協力し、地震に強いまちづくりを進めていくことが求められます。
リノベーションプランナー マネージャー
佐々木 貴信TAKANOBU SASAKI
二級建築士 / 宅地建物取引士 / インテリアコーディネーター / 福祉住環境コーディネーター2級