【札幌へ移住+リノベーション】関東圏・関西圏と札幌の家の大きな違いについて北王リノベーションが解説!

お世話になっております。佐々木です。

昨年から首都圏や関西圏からの移住リノベのご相談がジワリと増えてきております。

主にマンションを新たに購入されてそこをリノベーションされるかたが多いのですが、(移住リノベの勧めコラム)札幌にご実家があってというUターンされる方ももちろんいらっしゃいます。

今回は物件購入からの話ではなく、建物の造りについてのポイントを解説いたします。札幌近郊の住まいの現状とリノベーションで必要なことをまとめていきます。

関東以南の建物と北海道の建物の一番の違いは、ご想像の通り断熱性能です。

良く言えばメリハリのある四季が魅力の北海道。言い換えると厳しい自然環境であるとも言えます。近年は夏も本州並みの暑さ。既に建っている家もそこそこの性能があると考えていただいて良いと思いますが、性能が足りていない住まいは色々な問題を抱えています。

マンションにおける現状と、リノベ時における改善点について

①北海道では内窓がある・・・

外側の窓が防火上金属製なのは同じなのですが、北海道の冬に金属サッシ単体では室内側が凍結するほどに冷気の影響を受けてしまいます。ということなので、性能はまちまちですが概ね樹脂枠サッシを内窓に採用しています。

→内窓の性能値を上げることが望ましいです。断熱性を向上させるためには一番効率がよくコスパの高い工事内容となります。お勧めはLOW-Eといわれる高断熱の内窓。これは2枚合わせたガラスの内部にガスを封入して断熱性を高めたタイプです。若干性能は下がりますがリーズナブルなペアガラス内窓もあります。これは通常の空気を封入しているタイプになります。

②床材が直接コンクリート面に施工されている物件が多い・・・

コンクリートの上に直接床材が貼られているので、床下に配管などはありません。旧耐震(およそ築40年以上)のマンションで木製の骨組みを組んで、その上に床を施工しているケースはあります。

→コンクリートに直接貼られている既存の床材、若しくはカーペットや畳をはがして新規の床材を施工します。ここでのポイントは、コンクリートの水平面が実はそれほど水平ではなく、それを水平化していくことです。コンクリートが湾曲していたりすると新規の床が浮いてしまったり生活に違和感を生じたりしますのでしっかりケアしておくこととなります。

③外廊下式はありません。・・・

古めのマンションでは外気にさらされていない中廊下式や、新しめですとエレベーターホールしかないレイアウトが大半です。中廊下式の場合、そちらに面した部屋の窓を開けても外気の換気はできなかったりプライバシーの問題で不便なケースもあります。

→中廊下式の間取りの場合、面した部屋の用途を考え抜いてプランする必要があります。

④壁は断熱されています・・・

断熱は吹き付けウレタンが主です。吹付の厚みは30mm程度が多いと思いますが、施工精度にばらつきがあり、しっかりと厚さが確保されていないケースもあります。

→壁の断熱を強化するのは実はコスト面を考慮するとあまり効率が良くないのが実情です。私たちは、使えるものは使い、コスパの良い住まいを提供できるのがリノベーションの醍醐味だと考えています。コスパの良い断熱強化はいくつか手法がございますが、付加断熱や塗装による断熱強化をお勧めしております。

戸建における現状と、リノベ時における改善点について

①窓の性能はさまざまでピンキリ・・・

樹脂サッシの登場以前の住宅ではマンション同様に外窓がアルミ、性能の低い内窓の組み合わせが多く、とても寒い環境です。現状のままでは快適性が低いうえに建物の維持保全や住人の健康を損なう恐れがあります。

→LOW-Eレベルの樹脂サッシに交換しないことはほぼありません。必須と考えています。トリプルといわれる3枚を合わせてガスの封入室が2室のタイプが最も性能が高いのでお勧めです。

②屋根に瓦は使っていません・・・

屋根はもともとが軽い金属製の屋根材です。勾配屋根と無落雪の屋根形状がありますが、建物周囲への配慮から無落雪のタイプが好まれています。

→雪を落とさない無落雪の屋根は良い事ばかりではありません。冬の間は積もった雪を乗せたままということになり、上が重い建物というのは地震の際により多くの地震力の影響を受けます。冬場に生じる地震に対しての耐震性を持たせる施工をお勧めしております。断熱工事同様にコスパが良くなければリノベーションの醍醐味は薄いと考え、現状を診断しながら必要な方法を選択していきます。

③玄関がものすごく寒い・・・

ので、玄関の外側に更に風除室がある家が多いです。吹雪や冷気が直接家の中に吹き込まないようにするために設けられていますが、最近の玄関ドアは性能が高いため、築浅の建物では無い場合が多くなっています。

→古い建物の玄関ドアからはとてつもないほど暖気が逃げていきます。ドア内部に断熱材が詰まっている高断熱ドアを採用して、快適性を向上させます。

④壁の断熱はもともとしっかりしています・・・

充填断熱といわれるグラスウールを壁の中に入れるタイプの断熱方法がメインです。無断熱の建物はそもそも存在しません。

→古い建物のグラスウールはもちろん性能が低いのですが、現行のものと比べても劇的に低いわけではないので、付加断熱による新規の断熱を付け加える方法をとる場合が多いです。

⑤給湯器やボイラーは室内に設置されています・・・

→冬場に凍結の恐れがある室外にはボイラーを設置しません。その分室内への設置スペースと違和感の無いプランが必要となります。

つまり住まいの性能向上は快適でお財布に優しい

冒頭でもありました、厳しい自然環境のデメリットを減らすということは、メリハリのある四季をより一層魅力的に感じることにつながると感じています。

「北王リノベーション」は快適でコスパの良い「性能向上リノベーション」に取り組んでいます。

(冬季)耐震等級1以上(上部構造評点という指標で1.0以上)

断熱等級4以上(UA値で0.46以下=平成28年省エネ基準)

 ※HEAT20でG1グレード(UA値で0.34以下)G2グレード(UA値で0.28以下・・数値は低いほど優秀。)

を皆様に提案してまいりますので、よろしくお願いいたします。

性能向上のあらましについては別途性能向上リノベのコラムをご参照ください。

リノベーションプランナーマネージャー

佐々木 貴信

二級建築士 / 宅地建物取引士 / インテリアコーディネーター / 福祉住環境コーディネーター2級

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