二世帯住宅リノベーションとは?札幌のプランナーがコツを伝授!

二世帯住宅リノベーションに向いている方とは

ここ最近はご両親がご高齢であるから。という理由よりは、共働き子育て世代のフォローも兼ねて同居を考える方が増えているように感じます。

二世帯リノベーションとは、二世帯で住みやすいように住宅をリノベーションすることですが、同居をきっかけにご両親が住んでいる実家をリノベーションする方がいらっしゃいます。このようなケースは実家リノベとも呼ばれています。また、新たに素材となる中古物件を探し、二世帯住宅にリノベーションを行うケースもあり、二世帯リノベは、この2つのタイプに分けられるのです。

※素材物件については、こちらの記事をご覧ください。

実家リノベのメリットは何といっても物件購入コストがかからないことで、このメリットは何物にも勝る最強の条件です。リノベコストだけを考慮し、計画を進めることが可能です。

反面、物件購入からという方は諸条件を満たす物件探しが何より大変なことです。しかしながら悪いことばかりではありません。工事中の仮住まいが不要で、膨大な荷物の片付けに追われることもなく、工事中は現在の住まいで竣工を迎えることができます。実家リノベの場合は確実に仮住まいと荷物の整理・移動・保管についても考える必要があります。

二世帯住宅のありかた

完全分離型・・・それぞれの世帯に分かれて生活をするタイプ。水回り設備もリビングも別々ですが、一部玄関だけは一緒のケースもあります。

完全同居型・・・部屋数の多い一般的な住宅です。水回り設備も1ヶ所づつ。昭和の時代はこの形態の住まいが結構あったように思います。家に帰るとおじいちゃんもおばあちゃんもいる、的な感じです。

混合型・・・上記の混合で、形態はさまざま。お風呂だけ共有だったり、ユーティリティだけは別々など。実はこの混合型が一番多いケースだと思いますが、業者のプラン力・ヒアリング力が最も問われる形態です。

リノベーションコストについて

完全分離型が最も高額になります。単純に小さめの戸建を2棟分といったところです。

次に混合型ですが、内容も千差万別でコスト面では最も読みにくい形態とも言えます。

最も安価なのは完全同居型で、大きめの戸建をリノベするコストとほぼ同じです。

コストの基準値を、弊社の定額制リノベ(※2) に置き換えると分かり易いと思います。ザックリと35万円/坪といったところでおよそ新築コストの70%程度です。ただし、一棟当たりの下限は1000万円前後なので完全分離型は最低でも2000万円~といった感覚です。

※2定額制リノベについて

完全同居で40坪程度の広さであれば1400万円~、混合型はそれぞれの中間値のどこか。といえます。

二世帯住宅を考える際に気を付けること

完全分離型は単純にそれぞれの世帯ごとにヒアリングしてそれぞれの計画を成立させることですので、単世帯住宅の2倍程度の労力が必要です。ただし、世帯ごとの調整が必要なポイントが少なく、プラン難易度は比較的低いです。

完全同居型は皆の意見をまとめる能力が必須であり、実は一番プラン難易度が高いとも言えます。打ち合わせでは基本的には全員参加で皆さんの意見をまとめる文系的能力が問われます。聖徳太子的なスキルですね。

混合型は、共有エリアの調整を図りつつそれぞれが干渉しないエリアもありますので上記の中間的なやり方になります。

当社のリノベーション事例

完全分離型はそれぞれの世帯のイメージがガラッと変わってそれぞれに満足度が高い。1Fは渋め。
2Fはシックでシンプルなカッコよさ
完全同居型はみんな一緒で賑やか。打ち合わせ当初は完全分離がご要望だったりもします。
完全同居型、かつマンションでの事例。広さに制限のある中、皆様の要望をうまくまとめます。
間取り変更に制限のあるツーバイ住宅は完全同居型が適しています。
キッチンは分担作業がしやすい二の字で機能的です。
混合型です。お茶の間で寛ぐネオ昭和スタイル
2Fに別途プライベートリビング
ユーティリティ・トイレなどはそれぞれに
気兼ねないシャワーブースも有効的です。

最後に

単純に大きな家に皆で住むということではなく、居住者それぞれの距離感を設定するのが二世帯住宅の醍醐味であり難しさです。同居者の声の大きさや影響力の大小でプランの方向性を決めてしまうととても幸せな住まいであるとは言えないでしょう。居住者それぞれが心地よい距離感で生活できるような住まいを目指して作り手側も「聴く力」を磨かなくてはいけないと思います。

リノベーションプランナーマネージャー

佐々木 貴信

二級建築士 / 宅地建物取引士 / インテリアコーディネーター / 福祉住環境コーディネーター2級

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