既存を活かして理想の住まいに。取れない壁・柱を魅力的に使うリノベーション術


こんにちは。北王のなりたです。
今回は「取れない壁や柱をどう活かすか?」という、多くの住まい手がぶつかるテーマについてご紹介します。

住まいづくりにおいて、構造上取れない柱や壁は必ずしも“邪魔な存在”ではありません。
視点を変えれば、デザインとして、また暮らしに寄り添う空間として生まれ変わらせることができます。

今回は、実際の事例を交えながら、既存を大切にしながら理想の住まいを叶える工夫をご紹介します。


取れない壁・柱を活かして、収納とワークスペースを確保

リノベーションで人気のワークスペース。しかし“抜けない柱”や“取れない壁”があると、間取りの自由度が低くなるという悩みもあります。

今回の事例では、もともと和室の押入れ部分にあった構造柱が取り除けず、活用が課題となっていました。
そこで、その空間をリビング裏のワークスペースとして再構成しました。

腰壁を採用することで圧迫感をなくし、コンパクトでも使いやすいワークエリアに。
カウンター上でパソコン作業をしても、リビング裏のため人目が気にならず、作業途中の状態でもそのままにできる点がポイントです。

また、取れない柱まわりの空間を活用したことで、収納量が増え、暮らしの整えやすさも大きく向上しました。


取れない壁を“くつろぎ空間”へ。制限を魅力に変える工夫

「リビングをもっと広くしたい・・・!」
そんなご希望がありながら、耐震の関係で壁を取り払えない場合もあります。

今回の事例では、壊せなかった壁の内側を、家族がほっと落ち着ける小上がり空間として再生しました。

アーチ開口の奥には琉球畳3枚分の小上がりを設け、腰掛けたり、中に入って寝転んだりと多目的に使えるスペースに。
人目を気にせずくつろげる“半個室のような安心感”が生まれ、家族の過ごし方がぐっと豊かになりました。

さらに、パントリー入口もアーチ開口にすることで統一感が生まれ、空間のアクセントにもなっています。


取れない柱をアクセントへ。抜けないからこそ美しく魅せるデザイン

構造上どうしても取れない柱は、「邪魔」ではなく「デザイン要素」として活かすことができます。

今回取り上げる3つの事例では、すべて耐震のため取れなかった柱を“表し”にし、空間の印象を大きく変えています。

壁を壊し柱だけを残すことで、視線が抜け、空間全体の広さを感じやすくなるのが大きなメリットです。
柱の存在感がインテリアの一部となり、住まいに“味わい”を与えてくれます。


思い出の柱を別の形で残す。暮らしに寄り添う「記憶の継承」

住まいに刻まれた“家族の思い出”。
リノベーションは新しくするだけでなく、「思い出をどう残すか」という視点も大切です。

 

【床柱を写真立てに生まれ変わらせた事例】

もともと立派な床柱を「どこかに残したい」というお客様の想いがありましたが、切り欠きなどの関係でそのまま残すのは難しい状況でした。

そこで、床柱を加工し“写真立て”として新しい形で再生。

 

【身長が刻まれた建具枠を、新しい柱として再利用した事例】

成長の記録が刻まれた建具枠は、お客様にとって特別な思い出。
それを新たな空間の柱として組み込み、過去の記録が今でも生き続ける形にしました。

“過去が今とつながる”その佇まいは、家族にとってかけがえのない存在になっていることでしょう。


まとめ:制限を魅力に変えるのがリノベーションの醍醐味

取れない柱や壁は、住まいづくりの“制限”に見えますが、視点を変えれば大きな可能性を秘めています。

・収納やワークスペースの確保
・落ち着ける小上がり空間
・アクセントとしてのデザイン柱
・思い出を未来につなぐ既存材の活用

こうした工夫を重ねることで、「既存を活かしながら理想の住まいをつくる」ことが可能になります。

北王では、既存構造や住まい手の想いを大切にしながら、最適なリノベーションプランをご提案しています。
まずはお気軽にご相談ください。

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