こんにちは。北王のりゅうこうです。
今回は、住まいの印象を大きく左右する「曲線=アール」を取り入れた空間デザインについてご紹介します。ちなみに私、りゅうこう(Ryuko)だけにアール(R)デザインが大好きです。
直線的で無機質になりがちな住宅空間に、アール形状の開口や壁面を取り入れることで、やわらかさと温もりが生まれます。リノベーションだからこそ叶う、細部にこだわった空間づくり。その中でも、アールの造作は住まいにやさしいリズムと表情を加えてくれます。
直線から曲線へ。アールが生む“心地よさ”の正体
現代住宅は、施工性やコストの面から直線的なデザインが多くなりがちです。けれども、そこにやわらかなアールを加えることで、視覚的にも感覚的にも、ぐっと心地よい空間へと変化します。
特にリノベーションでは、構造的にどうしても残る壁や柱を逆にデザインの一部として活かす工夫が求められます。そんなときこそ、アールを描く造作が効果を発揮します。
残る壁を“邪魔”と捉えるのではなく、“活かす”発想へ。アール形状は、住まいの個性を引き出す鍵となるのです。
曲線がつくる空間のメリット
アールデザインには、以下のようなメリットがあります
- 緊張感を和らげ、空間にやさしさとあたたかみを加える
- シンプルな内装に奥行きや変化をもたらす
- 空間同士のつながりを滑らかに演出
- 一部を囲むような“こもれる”印象を与え、安心感を演出
空間に曲線を取り入れるだけで、暮らしに寄り添う空間へと進化します。
実例紹介:アールが引き立てる暮らしのシーン
ここからは、実際の施工事例をご紹介します。
キッチンからユーティリティへの動線を“魅せるライン”に

キッチンからユーティリティへ向かう通路に、壁面に美しいアールを描いた開口を設けた事例です。まっすぐな動線に柔らかな印象が加わり、視線を自然に誘導。機能だけでなく、**空間を見せる“魅せる動線”**に生まれ変わりました。
■R390㎜(開口780㎜)
壁面そのものが“やわらかな印象”を持つ空間に

リビングにある洋室の壁を直線ではなく曲面を描くR型にすることで、区切られた空間として洋室が存在するのではなく、空間全体が包まれるような柔らかさを持つ印象に。無機質になりがちな壁面も曲線を描くことでデザインの一部として機能します。
■R600~650㎜
リビングのヌックに、曲線の“こもり感”を

リビングに設けたヌック(こもりスペース)の入口をアールで構成することで、やさしく包まれるような空間に。少し低めの高さに設定したことで、まるで隠れ家のような遊び心も生まれます。
■R390(開口780㎜)
収納スペースも、意匠的に魅せる

クローゼットなどの収納スペースにもアールを活用。開口をなだらかな曲線で構成することで、過度に主張せず、空間に自然となじむアクセントになります。
■R705㎜(開口880㎜)
リビングとダイニングを緩やかにつなぐ

構造的に残ってしまう壁をあえてアール型に。リビング空間とダイニング空間を緩やかに繋いでいます。構造を活かしつつリノベーションだからこそのデザインになります。
■R約2700㎜(開口約2920㎜)
設計のポイント:アールは空間に“余白”と“やさしさ”を与える
- 残した構造壁をネガティブに捉えず、アールの形でデザインに昇華
- シンプルな住まいに、印象的なアクセントとして映える
- 曲線が空間をやわらかく包み込み、住まいにあたたかみと上質感をプラス
“どこか落ち着く”“なぜか心地よい”と感じる空間には、アールが使われていることが多いのかもしれません。
まとめ:アールという選択で、住まいに個性とやさしさを
住まいの印象を大きく左右する「アール」は、目立ちすぎず、それでいて確かな存在感を放つデザイン要素です。
直線中心のインテリアに一つ曲線を取り入れるだけで、空間全体の表情が変わります。
“やさしくて、印象に残る住まい”を目指して、ぜひリノベーションの際にはアールの造作を検討してみてください。
私たち北王では、目的やお好みに合わせた空間デザインの提案を行っております。
まずはお気軽に、無料相談会にご参加ください。

リノベーションプランナー 主任
りゅうこうRYUKO
宅地建物取引士