モールテックスとは【よく使われる建築用語】

「モールテックス」というものをご存じでしょうか?

 これは、数年前から建築業界で急速に知名度を増している左官材料です。左官材料とは、コテを使って塗る仕上材のことですが(例:漆喰など)、いったいモールテックスはどんなもので、何が魅力なのでしょうか。また、採用する際の注意点なども見ていきましょう。

 

「モールテックス」とは、ベルギーのBEAL社の商品で元々は防水材の一種でしたが、20年ほど前からベルギーで仕上げ材として使われるようになったとのことです。

10年くらい前に日本に入ってきて、じわじわと人気が出てきています。

 

見た目はモルタルのような風合いですが、似て非なる別物です。材料としてはセメント系ではあるものの、樹脂も含んでおり

モルタルに比べてひび割れが少なかったり、薄塗できたりという特徴があります。

 

上記のとおり、①見た目はモルタル風で、②防水性があり、③薄塗りが可能だったことが建築業界で知名度を増した大きな要因だったのかと思います。

 

最近施工した現場の写真です。

キッチンの腰壁に施工

 

 

 

 

 

 

 

実際の見た目はモルタルとは違い、ツヤがあって軽やかな印象で

住宅の中あっても、フローリングやクロスとケンカしない程度の柔らかな印象でした。

 

下の写真(右)のように、角が丸くなっているので、そう感じたのかもしれません。触っても、モルタルのような冷たさは感じませんでした。

 

モルタル(床)の表面
モールテックスの表面

 

 

 

 

 

 

さて、ここまで紹介すると使ってみたいと思う方もいらっしゃるかとおもいますが、

実際に採用するにはどんな注意点があるのでしょうか。

 

①コスト

クロスで仕上げる場合とくらべて、高くなります。

材料費もあるのですが、クロス屋さんに加えて左官屋さんが来て施工しますので、

その分の人件費がかかってきてしまいます。

範囲によっても変わりますので、お打合せの際にご相談ください。

 

②工期

一見、塗るだけのようですが、下地調整→1度塗→2度塗→研磨→コーティングと

実は結構、手間がかかっていいます(その分でコストが上がっています)。

場合によっては、想定している工期に+1週間程度みていただく必要がありますので

お打合せの際にご相談ください。

 

いかがでしょうか。

コストや工期はかかりますが、そのぶん素敵な仕上がりになります。

サンプルなども用意していますので、ご来店の際にお気軽にご相談ください。

施工管理

髙橋 利郎

二級建築施工管理技士

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