「どんな暮らしをしたいのか?」という問いに、はっきり答えられる人は意外と少ないかもしれません。
でも、間取りを考えるうえで、それこそが一番のヒントになります。家族の動線、収納のクセ、朝の慌ただしさから夜のくつろぎ時間まで――生活の“リアル”を丁寧に見つめることで、間取りはもっと自分らしく、心地よく整っていきます。
今回のコラムでは、理想の空間づくりに欠かせない“暮らしの視点”から、間取りデザインの考え方をひもといていきます。
「センスより、“暮らしのリアル”がずっと大事」
北海道・札幌では、夏と冬で暮らし方が大きく変わります。
だからこそ、リノベーションでゼロから自由に間取りをつくれることは、大きな魅力。
けれど、「正解のない自由」って、実はちょっと怖いもの。
だからこそ、よく見えてくるのは、その人らしい暮らし方。
間取りに必要なのは、日常の小さな“習慣”だったりするのです。
たとえば…
- 朝はどんなふうに起きて、どこで顔を洗いますか?
- コーヒーはどこで飲んでいますか?
- 冬の寒い朝、脱衣所はあたたかいですか?
- 夜は、家族と一緒に過ごしますか?それとも一人で過ごす時間が必要ですか?
そういった問いの中に、その人だけの間取りのヒントがたくさん隠れています。
間取りは「選ぶ」ものではなく、「つくる」もの。
誰かがつくったセンスの良い空間に合わせる必要はありません。
自分たちのライフスタイルを、ちゃんと見つめ直すこと。
それこそが、最高の間取りをつくるための第一歩だと思うのです。
「選ぶ」間取りとは?
たとえば…
- 2LDKがちょうどよさそう
- 洋室は6帖あれば十分かな
- 寝室は南側がいいと聞いた
これはいわば「誰かが作った一般的な形に、自分を当てはめる」という考え方。
たしかに効率は良いかもしれませんが、
“本当に自分の暮らしにフィットしているか”は、実はあまり考えられていなかったりします。
「つくる」間取りとは?
一方で、“つくる”間取りはこういう発想です:
たとえば…
- 服が多いから、寝室の隣に広めのクローゼットが欲しい
- 朝はぼんやりしたいから、日当たりのいい場所にダイニングを置きたい
- 一人で映画を観るのが習慣だから、リビングよりシアタールームが欲しい
つまり、自分の暮らしの動きや癖、好きな時間を起点にして空間をデザインするということ。
このプロセスには「間取りをどう選ぶか」ではなく、「自分がどんなふうに暮らしたいか」が必要不可欠です。
センスではなく「自己理解」が鍵
「センスがないから、うまく間取りを考えられない」と不安に思う方がいます。
でも必要なのはセンスではなく、自分自身の暮らしをちゃんと知ることです。
事例①:リビングダイニングを最小限にして、充実した収納スペースをしっかり確保した事例

事例②:パウダールームとしても使用できるよう自然光を取り込む設計になっている洗面コーナー。

「選ぶ」は“誰かの正解”をなぞること。
「つくる」は“自分の快適”をデザインすること。
間取りは、暮らしのかたち。
それが世界にひとつの自分らしいものであっていいと思うのです。
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札幌でのリノベーションをご検討中の方は、ぜひ【北王】の無料相談会をご活用ください。
自分らしい空間づくりのヒントがきっと見つかるはずです。
あなたのお話を聞かせていただけるのを、楽しみにしています。

リノベーションプランナー
たかはしTAKAHASHI
二級建築士/宅地建物取引士/インテリアコーディネーター