マンションのリノベーションのご相談の際、
キッチンを移動することはできますか?
というご質問を受けることがよくあります。そんな時私は、
キッチンを移動できる場合と、出来ない場合があります。
とお答えいたします。これを見ると、結局どっちなの?と思われるかもしれませんが、現状をしっかりチェックしないと出来る・出来ないの判断がつかないのが正直な答えです。マンションの場合は、建物の構造がコンクリートで真下に別の世帯の住戸がある為、排水管を移動出来るか出来ないかがキッチンの移動が出来るかのポイントになります。排水を移動するのが難しい場合でも、少し工夫をするだけでキッチンの移動ができる場合もあります。では、今まで行ってきたマンションのキッチンを移動した事例を基にご紹介いたします。
ケース①:排水管が移動したい場所にあった
もともとの対面キッチンの向きは、通路を挟んだ洋室に向いていた事例です。リング横にあった洋室は開閉可能な引き戸がL型についていました。L型の引き戸については、暮らしやすさがアップするドア選びコラムにてご覧ください。
マンションの10階というロケーションの素晴らしい部屋だたっため、窓に向かうようにキッチンを90度移動するプランをご提案しました。キッチンの前にある腰壁(こしかべ)は手元を隠せるように1m20cmの高さをとりました。キッチンの床下のコンクリートを通りパイプスペースに向かっていた排水管は、90度回転したレイアウトの時にピッタリと合いました。レンジフードの後ろの厚い壁がパイプスペースです。
ケース②:床下に配管できるスペースがあった
以前は完全独立型のキッチンでした。また、キッチンの背面の壁がリビングに出ていることでリビングやダイニングに狭い印象を与えていたため、リビングとの一体感を出したいというご要望をいただきました。
現地を調査した結果、床下に配管スペースがあることが分かり、キッチンを180度移動するプランをご提案しました。独立型のキッチンがお客様のご要望通り、リビングと一体感があるキッチンになりました。
ケース③:排水管を通すため、床を1段上げた
こちらの事例は、キッチンがリビングとは反対を向いていました。キッチンの後ろ側に吊戸棚とカウンター収納があり振り向くと上下の隙間からリビングを見ることが出来るレイアウトでした。小さなお子様がいるので、リビングを向いたキッチンに変更したいとご要望を受けました。
床下に排水管を移動するスペースが無かったため、キッチンスペースの床を1段上げることで排水管を移動することが出来ました。実際に生活してみたお客様からは約10cmの段差はそんなに気にならなかったとの感想をいただきました。
いかがですか?マンションだからキッチンの向きを変更出来ないとあきらめる前に、プロの意見を聞いてみてはいかがですか?マンションの図面だけでは判断出来ない場合は、現地の調査をさせていただき判断いたします。ご相談は無料相談会をご利用下さい。
また、実際に施工したマンションを見学できる、完成見学会を行います。6月1日(土)・2日(日)の2日間限定となっています。ご興味ある方は下記よりご予約ください。
リノベーションプランナー主任
赤川 裕理子
二級建築士 / 整理収納アドバイザー二級